なぜFJR1300ではサイドケースとトップケースを一緒に付けてはいけないのか

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先日、FJR1300の見積をお願いしました。すると、サイドパニアとトップボックスの両方の装着は奨められていないとのこと。たくさん荷物を積んでこそのツアラー。本当のところはどうなんでしょうか? 調べてみました。

ヤマハからの情報

Y’S GEARのホームページを確認したところ:

■ご注意 ※トップケースとサイドケースを同時装着しての走行は、走行風や重量バランスの影響から安定性を損なう場合がありますのでおやめください。


https://www.ysgear.co.jp/Products/Detail/top/model/1187/item/Q5KYSK078E11

また、代理店からの回答も「風にあおられバランスを崩す場合がある」でした。

他メーカーのツアラーは?

サイドパニアとトップケースが標準で装備されているツアラーは以下のバイクになります。いずれも諸費用含めると300万円を超える高級バイクです。すべてのケースを装着した場合の空力も考慮した上での設計がなされているのでしょう。

ホンダ Gold Wing Tour

BMW K 1600 GTL

ユーザーの声(日本)

FJR1300にサイドケースとトップケースの両方を装着している場合もよく見かけます。そのような方の意見も見てみましょう。

ヤマハのホームページでは同時装着不可となっていますが,これはバランスなどの面からのヤマハの事前対策です。私はサイドケースとトップケースを同時装着していますが、これまで運転上の支障を感じたことはありません。

FJR1300AS 購入3年目の利用者

純正TOPケースはサイドケースとの同時装着は不可となっていますが、操作の安定性の問題等を考えての事かと思われます。フルパニア仕様でタンデム時も、特に不安を感じたことは有りません。

FJR1300AP  ベテランライダー

ユーザーの声(海外)

日本語のサイトでは、あまり多くの情報を得ることはできませんでしたが、海外のサイトで実体験の投稿を見つけました。

I have taken trips with all 3 loaded but find over 80mph, the bike with the Yamaha top case will tend to weave.

3つすべてのケースを付けたとき、時速80マイル(時速128km)を超えるとバイクが揺れる傾向にあります。

2003年モデル、米国在住

When I ride alone with all three cases, full or not I get a little weave/wobble beginning around 80mph. When I ride with my pillion I get no weave/wobble full or empty.

3つすべてのケースを付けて一人で乗ると、荷物が空であろうとなかろうと、時速80マイル前後で少しの揺れが生じます。タンデムシートに人が乗ると、揺れは感じなくなります。

2015年モデル、米国在住

I have noticed the weave/wobble as well. I think it’s created by the pocket of space between you and the topcase and the absence of a pillion. I found that when I used a Ventura bikepack (or any large backpack) sitting in the pillion position, the weave/wobble was eliminated, at least up to 110mph.

私も同じような揺れに気付きました。その揺れは、運転者とトップケースの間のスペース(後部座席に誰も座っていない状態)が引き起こしたものと考えています。後部座席にベンチュラのバイクパック(あるいは大きなバックパック)を置くと、少なくとも時速110マイルまでは揺れが起こらないこともわかりました。

2008年モデル、米国在住

ヤマハの情報は、どうやら本当のようですね。運転者とトップケースの間での空気の流れが引き起こす現象で、時速120kmを超えるとバイクに揺れが生じ安定性を欠く恐れがあるようです。この現象がヤマハ純正のトップケース固有の問題なのか、あるいは他社製(例えばGIVIなど)すべてのトップケースに共通な現象なのかはわかりませんが、日本においては制限速度内(第二東名の最高時速120km)で走行する限り、大きな問題ではないことがわかりました。

まとめ

FJR1300にサイドケースとトップケースを同時に装着することを奨めていないのは、走行風の影響でバイクが不安定になる恐れがあるからで、時速80マイル(128km)以上の走行において実際にもそのような現象が報告されています。一方、日本の高速道路の最高速度が120km/hであることを考えれば、同時装着がほとんど問題にならないこともわかりました。

実際の走行では、横風を受けることもありますし、同時装着によって荷物の積載量も増えますので、トップケースを装着しない場合にくらべてバイクが不安定になる可能性は高いでしょう。トップケースを装着 して走行時に揺れを感じるようであれば、速度を落とすなど安全な運転を心がけましょう。

なお、新車購入時にはケース用のキーシリンダーが3つ附属しています。サイドケース用に2つとトップケース用1つです。同時装着は奨めていないけれども3つとも装着でき同じキーで開閉・脱着ができるようには配慮されています。ちょっと矛盾するようで面白いです。

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